竹のビーチアニマル「手起梁泉」号
オランダ人アーティストの“テオ・ヤンセン”氏と“佐志生工芸村 BAMBOO-UNIT”による、コラボレーションの記録です。
2011年7月9日から9月30日にかけて、大分県大分市美術館で『~風を食べるビーチアニマル~ テオ・ヤンセン展』が開催されました。
テオ・ヤンセン氏は、海岸を歩く生命体のような作品「ビーチアニマル」で知られるオランダ人アーティストであり、物理学者の顔も持つ世界が認める偉大な芸術家です。
企画展は大分市誕生100年、大分合同新聞創刊125周年の記念事業として催され、佐志生工芸村には大分合同新聞社からコラボレーションの依頼がありました。その内容は地元大分県特産の竹を使用したビーチアニマルの製作です。
大分県臼杵市佐志生は、1600年4月29日にウィリアムズ・アダムス(日本名:三浦 按針)、ヤン・ヨーステン(日本名:耶 陽子)などの乗員を乗せた東インド会社のオランダ船「リーフデ」号が投錨した歴史ある場所です。
私たちは411年の時を経た現代に、オランダ人のテオ・ヤンセン氏とコラボレーションができることを嬉しく思い、“佐志生工芸村 BAMBOO-UNIT”として依頼を快諾しました。
佐志生工芸村 BAMBOO-UNIT
- プロデューサー
- 毛利達男
- メカニカル・エンジニア
- 君山和高氏
- ITエンジニア
- 森宗明氏(クリエイツ代表)
- 写真撮影
- タケウチトモユキ氏
- 製作クルー
- 毛利拓斗
- 毛利隼斗
- 佐志生工芸村スタッフ一同
序章、ミニビースト「リーフデ」君、誕生
学研『大人の科学マガジン』の付録、ミニビースト「リーフデ」君です。風車の力を受けて、ゆっくりゆっくり歩みます。
「リーフデ」の名前は1600年に豊後の国“佐志生”に投錨したオランダ船リーフデ号にちなんで名付けられました。
ミニビースト「リーフデ」君、ランドタワー銀乃竈の前で
竹のビーチアニマル「手起梁泉」号を製作する佐志生工芸村。そのランドタワーである銀乃竈をバックに「リーフデ」君と毛利達男の2ショットです。
ミニビースト「リーフデ」君、日豊海岸国定公園を歩く
佐志生の海岸を日豊海岸国定公園の風を受けながら歩くミニビースト「リーフデ」君。411年前に、オランダと日本の友好が始った歴史ある場所です。
竹のビーチアニマル「手起梁泉」(テオヤンセン)号、いよいよ製作開始
ムーブエンジニア君山和高氏による、「手起梁泉」(テオヤンセン)号の最初の足モデル.1です。
竹と木の加工
竹の接合作業
佐志生工芸村スタッフによる、竹の接合作業です。竹とダボが抜けないようにしっかりとボンドで接着します。手間と根気を要しますが、この作業を手抜くと「手起梁泉」号の動作に問題が生じます。
「手起梁泉」号の完成予想図
完成予想図(パース)が出来上がりました。
テオ・ヤンセン展のコンセプト「海から森へ -from the sea to the forest-」に基づいて、「手起梁泉」号は鳥をイメージした作品に仕上げる予定です。
鳥が歩くような動きになると面白いはずです。「手起梁泉」号のサイズは全長2.5メートル、幅1メートル、高さ1.5メートル位の予定です。
竹と木を接合
竹と木をダボで接合します。木の材料は粘りがあり硬い桜の木を使用しています。先端は凹形に丸く加工し接点のパイプと接合しやすく工夫し、反対側は竹に埋め込んだダボを入れる穴をあけています。冶具を使い長さをミリ単位に決めて竹と桜の木を接合します。
ホールドを作成
竹で組んだ足たちを安定させるための受け具(ホールド)を作りました。竹は節があったり曲がっていたり太さがまちまちで、竹だけで全部を作ろうとすると無理があります。そこで考え付いたのがホールドです。
ホールドを仮組
ホールドを3連仮組みし、シャフトを通します。コンパネが不要な箇所をくり抜きますが、それでもかなりの重量です。
塗装から組み立てへ
脚の完成をめざして
「手起梁泉」号、組み上げました
大分市美術館に「手起梁泉」号現る
テオ・ヤンセン氏、佐志生工芸村を表敬訪問
テオ・ヤンセン氏、佐志生の海岸にて
1600年に東インド会社のオランダ船「リーフデ号」が投錨した佐志生の海岸に、411年を経てテオ・ヤンセン氏が訪れました。
オランダと日本が結ばれた佐志生の地で、テオ・ヤンセン氏と毛利達男がオランダと日本の芸術の繋がりを新たに作りました。
交流パーティー
テオ・ヤンセン氏とザック君を佐志生工芸村に迎えて、ささやかな交流パーティーを催しました。
地元・佐志生の魚介、野菜、大分冠地鶏などを、毛利むつみ、つむぎ二人の手料理でおもてなししました。
最後に皆で記念写真を撮って大感激でした!!
【完】